逼迫(ひっぱく)日記

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メロスとエロスの違い

メロスとエロス
この2つの言葉は似ているようで違う。

メロスと言う言葉には
信頼や友情、どこか、眩しくて、尊いものを感じる。
エロスという言葉には、
妖艶や性愛、どこか、危うくて、欲望のようなものを感じる。

まずメロスとはなにか。
メロスで思い浮かぶ物と言えば「走れメロス」だろう。
この物語は、メロスとセリヌンティウスが互いに信じ合い
人を私欲の塊と呼ぶ、人を信じぬ王に
信頼の尊さを伝えた物語である。

ここで重要なのはお互い一度は裏切ろうとしたことだ。
私にはこの2人が1度は裏切ろうとしながらも
もう一度前に進み始た事に対して眩しさを感じた。
わたしはこんなにも人を信じたことはあっただろうか。
小さい頃から周りの人に優しくされ、嫌われることを恐れ
常に他人の目を気にしながら、好かれるよう生きてきた。
不自由はしないが充実もしない。
そんな日々を過ごしてきた。
いつか心から人を信用することができるといいな。

ついつい途中から自分語りをしてしまったが
私なりにメロスを解釈するならば儚く尊いという意味だ。

ではエロスとはなにか。
エロスとは人間の心にある欲望が溢れ出た状態だと私は思う。
みな誰しも心に欲があるだろう。
酒が飲みたい。お金が欲しい。好きな人と付き合いたい。
様々ある欲望の中でも特に性愛のことである。
触られたい、抱かれたい、愛されたい、好かれたい、、、
これらの気持ちが溢れでた人というのは
とても魅力的で魅惑的で、ついつい惹かれて見てしまう。

人は口づけ1つでその人に溺れる。
どこかでこんな言葉を聞いたことがあるが
口づけをしなくとも、人は簡単に溺れていくものだ。
酒の勢いを利用する者。終電が無くなる事を利用する者。
エロスとは様々な思惑が
複雑に混じり合い絡み合う欲望のことだ。

メロスとエロス。
それぞれについて長々と話をしてきたが
メロスは人と人の友情や、信頼と言った意味合いがあり
エロスは人と人の欲望や、性愛と言った意味合いがある。
たった一文字違うだけなのにまるで違う言葉だ。
この2つの違いを簡単に表すとするならば
「信頼のメロスと欲望のエロス」ではないだろうか。